踊りの日1
銭湯レポートに時間がかかっており、更新も滞ってますので・・・。
ちょっと骨休め。久々の富士見湯日記 です。
※富士見湯日記とは、せんとガールが学生の頃にアルバイトをしていた「富士見湯ケンコー銭湯」での出来事をまとめた日記なのです。最初から読む方はこちらから。
2011年 10月2日 曇り
富士見湯の営業が再開してから、久々に舞踏団の人々がやってくる日だった。
毎年、正月休みも盆休みもない富士見湯が、今年の夏は半月近く店を閉めていたのだ。
社長は休み中に、癌の手術を行った。手術のあとは、前より少し元気がなかった。
私はこの日、社長にあげるバスタオルを買ってきていた。
これは、退院祝いなのだ。
以前ロビーで、社長の薄汚れたバスタオルを発見してから、ずっと気になっていた。(記事・バスタオルより)
社長はどんなタオルでもこだわらずに使うそうだが、せっかく広々した気持ちのいいお風呂に毎日入れるのだから、柔らかで清潔なタオルで、入浴の最後を締めくくればいいのに、と思っていた。
社長はピンクが好きなのだろうと、店内のいろんな色の照明の下へ持って行き、タオルの色を確かめたりしていたら、1時間近くかかってしまった。遅刻ぎりぎりだ。
立川からだと自転車で、約40分。ラッピングしてもらったタオルが入った紙袋を自転車のカゴに入れ、そのまま富士見湯に向かった。
自転車で富士見湯の前まで来ると、社長は外にいた。
犬を連れた、通りがかりのおばさんに、「足切っちゃったの?」と声をかけているところだった。おばさんは、「こういう犬なのよぉー」とやけに楽しそうに笑っていた。社長は、いつもの元気をちょっとづつ取り戻し始めたらしかった。
自転車を建物の裏に止め、入り口にまわった。出会い頭に「社長って、ダックスフンド知らないの?」と聞くと、「知ってるに決まってんだろう」と、私の首根っこを掴んできた。このやり取りで、タオルを渡すタイミングを逃してしまった。
それに、なんとなく渡すのが照れくさかった。とりあえずキッチンのそばの廊下に置いて、隙を見て渡そう。
「踊りの日2」へつづく。
Facebookにいいね!でブログの更新情報が届きます。