せんと♨︎ガール

美大出身の「せんとガール」が、昔ながらの銭湯をめぐる。(主に東京) 

A.富士見湯日記

背中流し

富士見湯日記より。 ※富士見湯日記とは・・・せんとガールが学生の頃にアルバイトをしていた「富士見湯ケンコー銭湯」での出来事をまとめた日記なのです。最初から読む方はこちらから。 12月2日 雨 バイトが早めにおわり、上機嫌で、下の階へ降りて行く。…

風呂屋Live!

富士見湯日記より。 ※富士見湯日記とは・・・せんとガールが学生の頃にアルバイトをしていた「富士見湯ケンコー銭湯」での出来事をまとめた日記なのです。最初から読む方はこちらから。 2011年 11月12日 晴れ この日の平日も、お客さんは二階へ上がってこな…

踊りの日2

踊りの日1はこちら。 富士見湯が店を閉めていたしばらくの間に、男女別のトイレを作る改修工事が行われ、休み明けには綺麗なトイレが完成していた。 女性の常連さんたちは、「素敵だわ〜」と言って、喜んでいた。私も、前に発見した社長の「僕の夢」が、ひ…

踊りの日1

銭湯レポートに時間がかかっており、更新も滞ってますので・・・。 ちょっと骨休め。久々の富士見湯日記 です。 ※富士見湯日記とは、せんとガールが学生の頃にアルバイトをしていた「富士見湯ケンコー銭湯」での出来事をまとめた日記なのです。最初から読む…

レモンサワー

富士見湯日記 *1 より。 2011年 7月10日 晴れ 今日は日曜なのに、斉藤さんしかいない。 いつも日曜日は、歌の同好会の人々が集まり、平日とは打って変わって二階は大盛り上がりになる。だけど今日は、まるで平日のようだ。それも悪いときのよう。 斉藤さんが…

バスタオル

富士見湯日記 *1 より。 2011年 7月3日 晴れ 「はい、じゃあ三百円でお願いね」「分かりました」タオルがいっぱいに入った大きなかごを持ち、外用サンダルを履き、コインランドリーまで運ぶ。外の空気がおいしい。 お客さんが使い終わった貸しタオルを洗濯機…

僕の夢

富士見湯日記 *1 より。 2011年 6月2日 雨 カラオケの機械の前で、ひとりペン立ての整理をしていた。お客さんが来ない。 あまりにもやることがないので、整体室の隣にある個室へ行き、社長が普段使っている机の上を片付けることにした。お客さんが使う部屋で…

社長2

富士見湯日記 *1 より。 前回の日記はこちら。 2011年 5月21日 晴れ 仕事が夜遅くなり、社長に送ってもらう車の中だった。社長に、「お前、ここの三代目になるか?」と言われる。いつもの冗談だろう。社長はいつも真面目な顔をして冗談を言うので、真意が掴…

社長1

富士見湯日記 *1 より。 2011年 5月17日 曇り 「お前、俺のこと好きなんだって?」 二階で出くわすと、社長はいつも言う。おそらくアルバイトの女の子全員に、言って回っているのだろう。いや、お客さんにも声をかけていそうだ。「みんな噂してるよ」と社長…

富士見湯小ネタ集2

富士見湯日記 *1 より。 上の写真は、富士見湯の息子さんであるアキさん。飲み物の点数シールをお客さんにあげるため、フロントの商品棚にシールを貼って、集めている。富士見湯には、こういった、従業員や常連さんしか知り得ない暗黙のルールというものがあ…

北上夜曲2

富士見湯日記 *1 より。 「いやー、普段から歌い慣れてる人の歌い方だよ」歌い終わっておじぎをし、舞台から降りると、田中さんがほめてくれた。「もっと歌ってよ。良い声してるよ」「そ、そうですか?」おだてられて、いよいよ調子に乗ってきた。他にお客さ…

北上夜曲1

2011年 3月30日 晴れ お客さんの少なくなった富士見湯は、今日も営業中だ。この日も二時間近く、宴会場には誰も来ない。私は湿らせたティッシュで炊飯器を磨いていた。 「誰もいねえなあ〜、おい」間延びした声が座敷に響いた。「あ、田中さん」キッチンの開…

カエル折り紙2

富士見湯日記*1より。 2011年3月27日 晴れ あの大地震から、半月ほど経っていた。 富士見湯の二階に来るお客さんの数は、がくっと減っていた。私だって、銭湯には入れても、なかなか飲んだり歌ったりする気分にはなれない。誰もいない二階のキッチン…

カエル折り紙1

富士見湯日記 *1 より。 2011年 3月10日 晴れ 今日はお客さんに、ジュースをごちそうになった。 お客さんに何かを奢ってもらったら、伝票に印をつけておくと、富士見湯から、アルバイトの女の子に百円のお小遣いが出る。その百円玉は、富士見湯の息子である…

魔法使い2

「富士見湯日記」より。 ・・・これは、せんと♨︎ガールこと私ちぐた氏が、銭湯巡りを始めるきっかけになった、「富士見湯」での出来事を日記に書き記したものである。 時間軸にそって最初から読む方は、こちらから。 魔法使い1の続き その日は二つの家族が…

魔法使い1

「富士見湯日記」より。 ・・・これは、せんと♨︎ガールこと私ちぐた氏が、銭湯巡りを始めるきっかけになった、「富士見湯」での出来事を日記に書き記したものである。 時間軸にそって最初から読む方は、こちらから。 1月23日 晴れ 踏み台にしていた椅子の足…

コーラと帆立2

「富士見湯日記」より。 ・・・これは、せんと♨︎ガールこと私ちぐた氏が銭湯巡りを始めるきっかけになった、「富士見湯」での出来事を日記に書き記したものである。 時間軸にそって最初から読む方は、コチラから。 「この時間に、お客さんが来るんだよ。メニ…

コーラと帆立1

「富士見湯日記」より。 ・・・これは、せんと♨︎ガールこと私ちぐた氏が銭湯巡りを始めるきっかけになった、「富士見湯」での出来事を日記に書き記したものである。 時間軸にそって最初から読む方は、コチラから。 12月27日 晴れ 初めての、銭湯でのアルバイ…

富士見湯小ネタ集1

二階、ビールを飲める丸テーブルの客席には、決まった常連さんが座ることが多い。食材を入れた冷蔵庫や、使えるのか分からないレトロなゲーム機などに囲まれたこの場所は、何故か居心地が良いらしい。 手前の赤い椅子も、なかなかの座り心地である。ビール片…

家族のような

「富士見湯日記」より。 ・・・これは、せんと♨︎ガールこと私ちぐた氏が銭湯巡りを始めるきっかけになった、「富士見湯」での出来事を日記に書き記したものである。 時間軸にそって最初から読む方は、コチラから。 12月9日 晴れ 富士見湯で働くことになった…

富士見湯日記とは。

こんにちは。銭湯巡りが趣味の、ちぐたと申します。 私の書いているブログの一つ、「富士見湯日記」について改めてご紹介します! 「せんと♨︎ガール」では、私が学生時代アルバイトをしていた銭湯での出来事を、写真と合わせて日記にして載せています。名付…

浴槽のないアパート3

「富士見湯日記」*1より。 脱衣所にいるお客さんは、私と年配のおばさんの二人だった。ぐるっと中を見渡して、空いているロッカーを見つけ、のろのろと荷物を入れる。 (あ、体を洗うタオルを忘れた。まあ、手で洗えばいいか。) 横に「貴重品は風呂ントへ」…

浴槽のないアパート2

「富士見湯日記」より。 11月20日 晴れ 「ちぐちゃんはシャワーだけで、お風呂寒くない?」「え?」 アパートのドアの前で、隣の部屋に住む大学の先輩に声をかけられた。言葉につまった。「私こないだね、通ってる銭湯のおじさんにバイトしないかって言われ…

浴槽のないアパート

11月2日 曇り時々雨 ホームセンターから電話。発注していた大型タライが届いたらしい。 小雨の中、傘をさして取りに行く。あまりにタライが大きいため、レジでお店の人が困っている。 「お車でお越しではないんですよね?」「あ、はい。歩いてきました」「こ…

富士見湯日記

せんと♨︎ガールこと私ちぐた氏は、昨年まで美大に通いながら、「富士見湯ケンコー銭湯」という東京の銭湯でアルバイトをしていました。 そして、アルバイトに入るたび、毎回起こるちょっと面白い事件を記録(メモ)し、文章に書き起こしていました。 名付け…

I ♡ 銭湯

こんにちは。せんとガール管理人のちぐたです。 突然ですが、皆さんは、銭湯と聞いて何を思い浮かべますか? 番台、脱衣所、体重計、コーヒー牛乳、ケロリン桶…銭湯に置いてある道具を思い浮かべる人が多いでしょうか(゚ー゚)? 今月4月26日(よい風呂の日)に…