せんと♨︎ガール

美大出身の「せんとガール」が、昔ながらの銭湯をめぐる。(主に東京) 

九谷焼タイル絵が彩る、銀座の金春湯(後編)

金春湯の取材レポ、前編中編もよろしく。

 

あちらこちらにある絵を楽しみながら体を洗い終え、湯船へ向かいます。角が丸く可愛らしい浴槽が、ふたつ。手を入れると、おお。アツい。43度です。以前は、今より一度高い、44度だったのだそう。

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埋め水をしたいお客さんと、熱い湯を好む江戸っ子な(?)お客さん同士で揉めることもあったので、現在は蛇口を取払い、温度を管理することにしたそうな。
私はこのように全て高めの温度に設定してある銭湯は初めてだったので、「うおおお」と意を決するような心持ちで、体を沈めました。

 

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43度のお湯はイタ気持ちよく…。脱衣所の方に視線をやると、番台のおばあちゃんと目が合います。中までよく見渡せるようになっているよう。
「わあ〜」と、物珍しそうに、若いおねえさんと、お母さんらしき親子がキョロキョロしながら、慣れない様子で入ってきました。この銭湯は常連さんも多そうですが、初めて訪れる人も、かなり居そう。

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お客さんは次から次へと、入ってきては、出て行きます。回転が早いのです。仕事帰りに気軽に寄る人も多いのでしょう。銀座で働き終わった後は、銭湯で汗をさっと流し、体を温めてから帰るわけです。
私は首まで湯船に浸かりながら、(粋な生活してますね)と、頭の中でつぶやきました。
隣では、熱い湯に浸かった一見さん親子が、「うわ、アツ〜い」と言うような目をして、顔を見合わせて笑っています。

今の湯の温度は、金春湯ご主人が、一度づつ調整しながら、実際に浸かって試してみて、決めた温度なのです。全ての人に満足してもらえるよう、一番良い方法はなんだろう、と突き詰めて考えるご主人の、銭湯への愛を感じました。

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男湯にも、女湯にもある鯉のタイル絵。それぞれ鯉は12匹いるんですよ。1月から12月まで、一年を通して「来い(鯉)」、おいでおいで。という意味だそうで。写真だと分かりにくいと思うので、実際に来て、数えてみませんか?(^o^)/

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そうそう、金春湯に置いてある黄色い桶は、ケロリンではなく、モモテツ桶です。ケロリンが薬の広告なのに対して、モモテツは桃太郎電鉄というゲームの広告なんです!

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銀座の贅沢な銭湯、金春湯の記事は、これで終わりです。

開店前に、金春湯前で写真を撮っている間も、
「まだ開いてないんだ」「ここは昔からあるんだよ」
と、道すがら楽しそうに、話題にしていく人も多く。午後2時の開店時間に、中のシャッターが開くと、店の前で待っていた人々がどどっと、10人ぐらい入っていきました。
取材をさせてもらい、金春湯側(営業している側)に(勝手に)立たせてもらったような気分の私としては、開店前から待っていてくれるお客さんがいるのは嬉しくなるものでした。ご主人も同じ気持ちでしょうか。

銭湯めぐりは続きます。
 

 

 

 

金春湯(こんぱるゆ)Data

住所  東京都中央区銀座8-7-5
TEL  03-3571-5469 営業時間 14:00~22:00
定休日  日曜祭日
URL  http://www002.upp.so-net.ne.jp/konparu/facility.html
Fecebook  https://www.facebook.com/konparu

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